第一訓 天然パーマに悪い奴はいない

「侍の国」

僕らの国がそう呼ばれていたのは今は昔の話

かつて侍達が仰ぎ夢を馳せた江戸の空には

今は異郷の船が飛び交う

かつて侍達が肩で風を切り歩いていた街には

今は異人がふんぞり返り歩く

 

店長「だからバカおめっ・・・違っ・・・そこじゃねーよ!!そこだよ そこ!!」

店長「おめっ 今時レジ打ちなんてチンパンジーでも出来るよ!!オメー人間じゃん!一年も勤めてんじゃん!!何で出来ねーんだよ!!」

新八「す・・・すみません剣術しかやってこなかったものですから」

「てめェェェ まだ剣ひきずってんのかァ!!

ガッ

新八「ぐはっ!!」

店長「侍も剣ももうとっくに滅んだんだよ!!それをいつまで侍気どりですかテメーは!!あん?」

茶斗欄星の大使「オイ少年レジはいいから牛乳頼む」

新八「あ・・・ヘイただいま」

店長「旦那ァ甘やかしてもらっちゃ困りまさァ」

茶斗欄星の大使「いや 最近の侍を見てるとなんだか哀れでなァ廃刀令で刀奪われるわ職を失うわ

ハローワークは失業した浪人で溢れているらしいな

我々がこもに来たばかりの頃は事あるごとに侍達がつっかかってきたもんだがこうなると喧嘩友達なくしたようで寂しくてな」

ドガシャン

茶斗欄星の大使「ついちょっかいだしたくなるんだよ」

ワハハハハハ

二十年前突如江戸に舞い降りた異人「天人」

彼らの台頭により侍は弱体化の一途をたどる

剣も地位ももぎとられ

店長「何やってんだ新八!!スンマセンお客さん!!オラッおめーが謝んだよ」

誇りも何も僕らは捨て去った

イヤ・・・侍だけじゃない

この国に住まう者は きっと みんな もう・・・

 

銀時「おい」

店長「?」

バガン

店長「がふっ!!」

ガシャン!!

茶斗欄星の大使「わっ!!」

茶斗欄星の大使「なっなんだァ!?何事だァ!!」

━━━!?

侍!?

ザッ

茶斗欄星の大使「なんだ貴様ァ!!廃刀令の御時世に木刀なんぞぶらさげおって!!」

銀時「ギャーギャー

ギャーギャー

やかましいんだよ

発情期ですか

コノヤロー

見ろコレ・・・

てめーらが騒ぐ

もんだから

俺のチョコレートパフェが お前

コレ・・・

まるまるこぼれちまったじゃねーか!!」

ダコン

茶斗欄星の大使「・・・き・・・貴様ァ何をするかァァ!!我々を誰だと思って・・・」

銀時「俺ァなァ!!

医者に血糖値高過ぎって

言われて・・・

パフェなんて週一でしか食えねーんだぞ!!」

 

ガキイイン

ドサッ

ザッ

ワー

キャー

そいつは侍というにはあまりに荒々しく

しかしチンピラというにはあまりに・・・

銀時「店長に言っとけ

味はよかったぜ」

               まっすぐな目をした

                  男だった

 

ピピィー

御回り「ハイハイちょっとどけてェ!!あっ!!いたいた!!お前か 木刀振り回して暴れてる侍は!!おーし動くなよ」

新八「ちょ・・・待って違いますって!!」

御回り「おい弥七!!中調べろ」

弥七「あーあ茶斗欄星の大使でさァ こりゃ国際問題になるぜ・・・エライ事してくれたな」

新八「だから僕は違いますって!!犯人はもうとっくに逃げたの!!」

御回り「ハイハイ犯人はみんなそう言うの 言い訳は凶器隠して言いなさいよ」

ポタポタ.......

御回り「よし じゃあ調書とるから署まで来て」

新八「・・・アレ?

あれェェェェ!?

ブロロ

ボボボボボボ

銀時「あ〜やっぱダメだなオイ 糖分とらねーとなんかイライラす・・・・・・」

ドドドドドドドドドド

新八「おいィィィ!!

よくも人を身代わりにしてくれたなコノヤロー!!

アンタのせいでもう何もかもメチャクチャだァ!!ゼーハァゼーハァ  」 

銀時「律儀な子だな 木刀返しに来てくれたの

いいよあげちゃう どうせ修学旅行で浮かれて買った奴だし」

新八「違うわァァ!!役人からやっとこさ逃げ的たんだよ!!

違うっていってんのに侍の話なんて誰も聞きゃしないんだ!!しまいにゃ店長も下手人だって

銀時「切られたなそりゃ レジも打てねェ店員なんて炒飯作れねェ母ちゃんくらいいらねーもんな」

新八「あんた母親をなんだと思ってんだ!!

銀時「バイト クビになったぐらいでガタガタうる・・・

新八「今時 侍雇ってくれるところなんてないんだぞ!!

くわっ

新八「明日からどーやって生きていけばいいんだチクショー!!

キイイイィィ

 

ゴッキン

 

新八「う゛っ!!」

銀時「ギャーギャーやかましいんだよ!!腐れメガネ!!

自分だけが不幸と思ってんじゃねェ!!

世の中にはなァ ダンボールをマイホームと呼んで暮らしてる侍もいんだよ!!

お前そーゆーポジティブな生き方できねーのか!?

新八「あんたポジティブの意味わかってんのか!?」

ウィーン

妙「あら?新ちゃん?

こんな所で何をやっているの?

お仕事は?

新八「げっ!!姉上!!

銀時「あ・・・どーも」

妙「仕事もせんと何ブラブラしとんじゃワレ ボケェェ!!

ゴッ

新八「ぐふゥ!!

妙「今月どれだけピンチか わかってんのか てめーは コラァ!!

ガッ

ゴッ

新八「がふっ」

妙「アンタのチンカスみたいな給料もウチには必要なんだよ!!

ガッ

ガッ

新八「げふっ」

新八「ま・・・待ってェ姉上!!こんな事になったのは あの男のせいで・・・」

ガチャガチャ

新八「あ゛ー!!まてオイ!!

ブロロ

銀時「ワリィ 俺夕方からドラマの再放送みたいか・・・

ニタァ

 

銀時「いや あの ホント・・・スンマセンでした

俺もあの・・・

登場シーンだったんで

ちょっとはしゃいでたっていうか・・・

調子に乗ってしまいました

スンマセンでした

妙「ゴメンですんだら この世に切腹なんて存在しないわ

アナタのおかげでウチの道場は存続すら危ういのよ

鎖国が解禁になって二十年・・・」

ゴゴゴゴ

妙「方々の星から天人が来るようになって 江戸は 見違える程 発展したけれど

一方で侍や剣・・・旧きに権勢を誇った者は 今次々に滅んでいってる

ウチの道場もそう・・・廃刀令のあおりで門下生は全て去り

今では姉弟二人でバイトしてなんとか形だけ取り繕ってる状態

それでも父の残していったこの道場護ろうと

今まで二人で必死に頑張ってきたのに・・・

お前のせいで全部パーじゃボケェェ!!

ガバッ

新八「おちつけェェ姉上!!

銀時「新八君!!君のお姉さんゴリラにでも育てられたの!!」

うがー

銀時「待て 待て待て おちつけェェ!!

切腹はできねーが俺だって尻ぐらいもつって ホラ」

ピッ

新八&妙「?」

新八「・・・なにコレ?名刺・・・

万事屋 坂田銀時?」

銀時「こんな時代だ

仕事なんて選んでる場合じゃねーだろ」

ポンポン

銀時「頼まれればなんでもやる商売やっててなァ

この俺

万事屋銀さんが

なんか困った事あったらなんでも解決してや・・・

妙「だーから

お前に困らせられてんだろーが!!

ドコ

バキ

新八「仕事紹介しろ仕事!!

ガス

銀時「おちつけェェ!!仕事は紹介できねーが!!

バイトの面接の時 緊張しないお呪いなら教えてや・・・」

バキ!!

新八「いらんわァァ!!

 

 

新八「姉上・・・やっぱりこんな時代に剣術道場やっていくのなんて土台無理なんだよ

この先 剣が復興することなんてもうないよ

こんな道場必死に護ったところで僕らなにも・・・」

妙「損得なんて

関係ないわよ

           親が大事にしてたものを

                子供が

               護るのに

            理由なんているの?

新八「でも姉上

父上が僕らに何をしてくれたって・・・」

ドガァ!!

銀時&新八&妙「   !!  

ダン!!

地上げ屋「くらァァァァ

今日という今日はキッチリ金返してもらうで〜!!」

ズカズカ

地上げ屋「ワシもう我慢でけへんもん!!

イライラしてんねんもん!」

銀時「オーイ借金か

オメーらガキのくせにデンジャラスな世渡りしてんな

新八「僕達が作ったんじゃない・・・父上が」

ムキャー

ウキャー

ズキャー

妙「新ちゃん!!」

地上げ屋「何をゴチャゴチャむかしとんねん!!

早よ金もってこんかいボケェェ!!

早よう帰って

ドラマの再放送見なあかんねんワシ」

新八「ちょっとまって今日は・・・」

地上げ屋「じゃかーしわ!!」

こっちはお前らのオトンの代からずっと待っとんねん

もォーハゲるわ!!

金払えん時は

この道場売り飛ばすゆーて約束したよな!!

あの約束守ってもらおうか!!」

新八「ちょっと!!待ってください!!

地上げ屋「なんや!!もうエエやろ

こんなボロ道場

借金だけ残して死にさらしたバカ親父に義理なんて通さんでエエわ!!捨ててまえこんな道場・・・」

 

バキ

 

地上げ屋「おぶっ」

地上げ屋の部下「この女ッ!!

何さらしとんじゃ!!」

ガッ

ダン

妙「くっ」

新八「姉上ェェ!!」

地上げ屋「このォ

ボケェ・・・女やと思って手ェ出さんとでも」

くわっ!

地上げ屋「思っとんのかァァ!!」

ゾク

銀時「そのへんにしとけよ

ゴリラに育てられたとはいえ女だぞ

メキメキ

地上げ屋「なっ・・・なんやワレェェ!!」

バッ

地上げ屋「この道場にまだ門下生なんぞ

おったんかィ!!

・・・ホンマにっどいつもこいつも

もうエエわ

道場の件は・・・

せやけどなァ姉さんよォ

その分アンタに働いて返してもらうで」

ゴソッ

地上げ屋「コレ

わしなァ

こないだから

新しい商売始めてん

ノーパンシャブシャブ天国ゆーねん」

新八「ノッ・・・

ノーパンしゃぶしゃぶだとォ!!」

地上げ屋「色んな星のべっぴんさん集めとったんやけど あんたやったら大歓迎やで

まァ道場売るか体売るかつー話や

どないする?」

新八「ふざけるなそんなの行くわけ・・・」

妙「わかりました行きましょう」

新八「え゛え゛え゛え゛え゛!!」

地上げ屋「こりゃたまげた孝行娘や」

新八「ちょ・・・姉上ェ

なんでそこまで・・・

もういいじゃないか

ねェ!!姉上!!

ピタッ

妙「新ちゃん

あなたの言う通りよ

こんな道場

護ったっていい事なんてなにもない

苦しいだけ・・・

・・・でもねェ

私・・・

捨てるのも

苦しいの

もう

取り戻せない

ものというのは

持ってるのも

捨てるのも苦しい

どうせ

どっちも苦しいなら

 

私は

それを護るために

苦しみたいの

 

ドゥルン

ブロロロ

 

ブン

ブン

新八「んだよチキショー!!バカ姉貴がよォォ!!

父ちゃん父ちゃんってあのハゲが何してくれたってよ

たまにオセロやってくれたぐらいじゃねーか!!」

銀時「父ちゃんハゲてたのか」

新八「いや精神的にハゲて・・・

って アンタまだいたんですか!!

しかも人んちで何 本格的なクッキングに挑戦してんの!!

銀時「いや 定期的に甘いもの食わねーとダメなんだ俺」

新八「だったらもっとお手軽なもの作れや!!」

銀時「・・・ねーちゃん追わなくていいのか」

新八「・・・知らないっスよ

自分で決めて

行ったんだから

姉上もやっぱ父上の娘だな

そっくりだ

父上も義理だの人情だの そんな事ばっか言ってるお人好しで

そこをつけこまれ友人に借金しょいこまされてのたれ死んだ

どうしてあんなにみんな不器用かな

僕はキレイ事だけ並べてのたれ死ぬのは御免ですよ

*

新八父「どんなに

時代が変わろうと

人には忘れちゃならねーもんがあらァ

*

妙「親が大事にしてたものを

子供が護るのに

理由なんているの?

*

新八「今の時代

そんなのもってたって

邪魔なだけだ

僕はもっと器用に生きのびてやる」

銀時「そーかい・・・でも

俺にはとてもお前が器用になんて見えねーけどな」

ガタッ

銀時「侍が動くのに理由なんて

いらねーさ

ボリボリ

銀時「そこに護りてェもんがあるなら

剣を抜きゃいい

 

姉ちゃんは好きか?

コクッ

 

ブロロロロロ

新八「絶景の夕日を見ながら天国へ

第一便午後四時出航

ヤバイ!!もう船がでます!!もっとスピード出無いんですか!!」

銀時「いや こないだスピード違反で罰金とられたばっかだから」

新八「んな事言ってる場合じゃないんですって!!

姉上がノーパンの危機なんスよ!!」

銀時「ノーパンぐらいでやかましーんだよ!!

世の中にはなァ

新聞紙をパンツと呼んで暮らす侍もいんだよ」

ファンファン

銀時&新八「!!」

ファンファン

警官「そこのノーヘル止まれコノヤロー

道路交通法違反だコノヤロー」

銀時「大丈夫ですぅ

頭かたいから」

警官「そーゆー問題じゃねーんだよ!!規則だよ規則!!」

銀時「うるせーな

かてーって言ってんだろ」

ガン

警官「ぶっ!!」

警官「ギャアアア!!鼻血が!!いい歳してして鼻血出しちゃった!!」

新八&銀時「!!」

ゴゴゴゴゴ

新八「ノーパンしゃぶしゃぶ天国・・・

出発しちゃった!!

どーすんだァ!!

あんなに高く・・・

あ゛あ゛あ゛あ゛!!姉上がノーパンにぃ」

警官「なんだとォ!!

ノーヘルのうえノーパンなにか貴様!!」

キラーン☆

妙「お妙でございます可愛がってくださいまし」

地上げ屋「だから違うゆーとるやろ!!

そこでもっと胸の谷間を強調じゃボケッ!!」

妙「胸の谷間なんて十八年生きてきて一回もできた事ないわよ

メキッ

地上げ屋「あ スマン

やりたくてもでけへんかったんかィ

まァ エエわ!!次 実技

パンツを脱ぎ捨ていよいよしゃぶしゃぶじゃー!!

どないした!?

はよ脱がんかィ!!

今さら怖じ気づいたところで遅いゆーねん!!」

妙「くっ!!」

地上げ屋「これも道場護るためや!

我慢しーや!!」

妙「キャアアアア!!」

ゴゴゴ

地上げ屋「!?」

ゴゴゴゴゴ

「なっ・・・なんやァァァ」

 

ドゴン!!

 

猿女「キャアアアア!!」

猿男「ちょっと ちょっと 何ィ!?」

ガラッ

従業員「社長ォォォ!!

何事ですかァァ!!」

パラパラ

地上げ屋「船が・・・

つっこんできよった!!

アカンでコレパトカーやん!!

ゲホッ

ゴホッ

地上げ屋「役人が嗅ぎつけて来よったか」

ザッ

銀時「安心しなァ

コイツはただの

レンタカーだ」

一同「!!」

 

ざん

 

銀時「どーも万事屋でーす」

新八「姉上ェ!!まだパンツはいてますか!!」

 

妙「・・・・・・新ちゃん!!」

地上げ屋「おのれら何さらしてくれとんじゃー!!」

新八「姉上返してもらいに来た」

地上げ屋「アホかァァ!!

どいつもこいつも もう遅いゆーのがわからんのかァ!!

新八 お前こんな真似さらして道場タダですまさんで!!」

新八「道場なんてしったこっちゃないね

俺は姉上が

いつも笑ってる道場が

好きなんだ

姉上の泣き顔

見るくらいなら

あんな道場いらない

妙「新ちゃん」

地上げ屋「ボケがァァ!!

たった二人で何できるゆーねん!!

いてもうたらァ!!」

ザザザザザ

銀時「オイ

俺がひきつけといて

やるから

てめーは

脱出ポッドでも探して逃げろ

新八「あんたは!?」

銀時「てめーは姉ちゃんを

護ることだけ

考えろや

俺は俺の

護りてェもん

護る

チャ

地上げ屋「何をゴチャゴチャぬかしとんじゃ」

チャカ

地上げ屋「死ねェェ!!」

 

ドガゴドン!!

 

「はィィィィ

次ィィィ!!」

 

ブ ァッ

 

従業員「なっ・・・」

ズシャアアア

従業員「なんだコイツぅ」

妙「何!?」

新八「でっ・・・でたらめだけど・・・」

         ゴガン

 

新八「強い!! 

 

銀時「新一ぃぃぃ!!

いけェェェ!!」

新八「新八だボケェェ!!」

ワーギャー

ダダダダダ

妙「新ちゃんいいの あの人

いくらなんでも多すぎよ 敵が

なんであそこまで私のこと・・・」

新八「そんなのわかんないよ!!

でもアイツは戻ってくる!!

だってアイツの中にはある気がするんだ

父上が言ってたあの・・・」

銀時「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」

ドドドドドドド

妙「!!

 

ホントに戻ってきた!!」

ドドドド

新八「キツかったんだ!!

思ったより

キツかったんだ!!

 

ちょっと!!頼みますよ!

一ページしかもってない

じゃないですか!!」

銀時「バカヤロー!!

漫画家にとって一ページはスゲー長いんだぞ

いいから脱出ポッド探せ!!」

新八「そこは!?」

銀時「んだ ココ!?」

ザザッ

新八「動力質!?」

ザッ

地上げ屋「いきどまりや

追いかけっこはしまいやでェ」

チャカ

地上げ屋「哀れやの〜

昔は国を守護する剣だった侍が

今では娘っ子一人護ることも

でけへん鈍や

おたくらに護れるもんなんて

もうなんもないで

この国も・・・空も

わしら天人のもんやさかい」

銀時「国だ 空だァ?

くれてやるよ

んなもん

こちとら目の前のもん護るのに手一杯だ

それでさえ護りきれずによォ

今まで幾つ取り零してきたかしれねェ

俺にはもうなんもねーがよォ

せめて目の前で落ちるものがあるなら拾ってやりてェのさ

地上げ屋「しみったれた武士道やの〜」

チャカ

地上げ屋「もう お前はエエわ・・・去ねや」

従業員「ちょっ

 あきまへんて社長」

ガッ

従業員「アレに弾あたったらどないするんですか

船もろともおっ死にますよ」

地上げ屋「ア・・・アカン忘れとった」

銀時「よいしょよいしょ」

地上げ屋「って・・・登っちゃってるよ

アイツ!!おいィィ!!」 

地上げ屋「ちょっ 待ちィィ!!

アカンで それ!!

この船の心臓・・・」

銀時「客の大事なもんは

俺の大事なもんでも

ある」

 

ザシィ

 

銀時「そいつを護るためなら俺ざなんでもやるぜ!!」

 

ズゴン!!

 

一同「!!」

地上げ屋「きいやァァァァァ

ホンマにやりおったァァ!!?」

ゴゴゴゴゴ

一同「!!」

銀時「何 この浮遊感

気持ち悪っ!!」

妙&新八「落ちてんのコレ!?

落ちてんの!?」

 

ゴパン

 

一同「ギャアアアアアア!!」

新八「幸い 海の上だったからよかったようなものの

街に落ちてたら

どーなってたことやら

あんな無茶苦茶な侍見たことない」

妙「でも結局助けられちゃったわね」

銀時「んだよォ!!

江戸の風紀を乱す輩の逮捕に協力してやったんだぞ!!

パトカー拝借したのくらい

水に流してくれてもいいだろうが!!」

警官「拝借ってお前

パトカーも俺もボロボロじゃねーか!!

ただの強盗だ ボケ」

銀時「元々ボロボロの

顔じゃねーか!!

かえって二枚目になったんじゃねーか」

警官「マジでか!!どのへん!?」

新八「・・・姉上・・・俺」

妙「行きなさい

 

あの人の中に何か見つけたんでしょ

行って見つけてくるといいわ

 

あなたの剣を

 

私は私の

やり方で探すわ

大丈夫

もう無茶はしないから

私だって新ちゃんの泣き顔なんて見たくないからね」

新八「・・・姉上」

*

例え剣を捨てる時が来ても

魂におさめた

 

まっすぐな魂だけはなくすな

*

父上

この男の魂

いかなるものか

ひどくわかり辛いですが

それは鈍く・・・

確かに光ってるように

思うのです

今しばらく傍らでその光・・・

眺めてみようと思います

 

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